コロナ禍の影響で通勤がなくなったため、毎朝散歩することにした。
近所の「北沢川緑道」は東京世田谷区の桜上水あたりから始まり、梅ヶ丘で小田急線をくぐる。環七を横切り、三宿から目黒川となる。以前は川があったところ、昭和のころに埋め立てられた。その上に人工の流れを作って遊歩道が整備されたそうだ。暗渠としては少しややこしい分類になるだろう。
地元では桜並木として知られる。
ほかにも草木が多様であることに気づいたのは、散歩を始めてからだ。花を咲かせるウツギやアセビの木、水面近くはユキノシタ、シダ、コケ類など湿地を好む植物が中心だ。なぜだか外来種も多い。
毎日歩くのが好きになった。
とりわけ、雨の日が好きだ。水分を含んだ空気のなかで、自分が緑と同化するような感覚にとらわれる。
どこからか来て自然に住み着いたかのように見えながら、管理されている小さな植物たち。「水の植物園」と名付けた。
鳥山優子
第3回 神楽坂フォトセミナー写真展「光の囁き」 出展作品
ポートレートギャラリー(四谷)
2021/6/17(木)〜6/23(水)